オラクルのACCとチームニュージーランドのACC

つい先日、バミューダでオラクルのレース用ヨットが披露されたことを伝えましたが、
実は同じ日2月14日に、地球の反対側にいるチームニュージーランドの地元、ニュージーランドのオークランドで、ヨット関係者を驚かせるACCの進水式が行われ、そのことが、早速ニュースになっており、イタリアのスポーツ新聞Gazzetta dello Sporto でも話題になったので紹介します。

「チームニュージーランドは、自転車でアメリカズカップを勝ち取るつもりだ」というタイトルです。

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ルイヴィトンカップを目指して、100日後にバミューダの水にカタマランが浮かぶ。
その間に、アメリカチームはニュージーランドチームと同じ日にレース用ヨットACCを進水させた。
案の定、ニュージーランドは、最も革新的なヨットを完成させた。
グリンダーは、手ではなく、脚を使う。

「これは、アメリカズカップを再防衛するためのヨットです」
オラクルのスキッパー、James Spithill は、この言葉でオラクルのACCを披露した。
アメリカチームの進水式は、バミューダのベースキャンプで、バレンタインデーの日に行われた。
この日が、アメリカチームの進水式の日として選ばれたのは、偶然ではなく、2010年2月14日は、第33回アメリカズカップが行われた日で、アメリカのシンジケート(オラクル)が、スイスのアリンギを相手に初勝利した日であったからである。
当時はバレンシアで論争があり、アメリカズカップはオラクルとアリンギだけで競われた。

15人以上のデザイナー、50人以上の作業員がアメリカチームのカタマランの構築に携わり、「17」というニックネームを命名した。
「17」とは、オラクルのオーナー、Larry Ellisonが他に所有するヨットにも使用されているニックネームであり、Larry Ellisonの誕生日8月17日に由来する。

この新しいヨットの誕生を祝福するために、大西洋に浮かぶバミューダ諸島に、チームの家族、友人、サポーターの多くが駆けつけたが、当日、オーナーのLarry EllisonとRussell Coutts の姿は無かった。

オラクルのACC披露の当日、設計チームの責任者Scotto Fergusonは、以下のようなコメントを残した。
「設計上の主要な決定はすでに行われている。ヨットの改良は、ここで終わらず、繰り返される。5月26日のルイヴィトンカップ開催まで、まだまだ研究を重ねてヨットの改良に従事することになる。」

一方で、アメリカチームのパーティーに水を差すかのように、ニュージーランドがサプライズを用意していた。
チームニュージーランドは、意表をついて、彼らのカタマランの進水式をニュージーランドで行なった。
刺激を与えたのは、ニュージーランドがオラクルと同じ日に進水式を行なったことよりも、(本当の進水式は、実は2月17日に予定されていた)Kiwi チームが、案の定、革新的なヨットを披露したことだった。

ニュージーランドのカタマランには、通常のグリンダーで、「コーヒーグリンダー」とも呼ばれすマストを調整するための手挽きコーヒーミルのような、手動の装置を、足で漕ぐ自転車のペダルに置き換えたのだ。
セーリング中に、マストを手で調整する重労働を、足の安定性と動力を活かすアイデアだ。
さらに、脚を使うことで、手が自由になり、他の動作を手で行うことを可能にさせる。

元ニュージーランドのスキッパーであり、現在、日本チームに所属するDean Barker は、この革新的なアイデアの導入に疑り深い様子。
「我々のチームもこの仕様について、新しいヨットの設計の際に検討した。
計算上、この革新が実を結ぶようには思えない結論に至った。
論理上は、脚を使う方がより動力を展開させることができるので、かなっていると思う。
しかし、船上では素早い動作と、左右への絶え間ない移動も必要することから、このアイデアが必ずしも決定的になるとは言えないと思う。」
果たして、この新兵器がニュージーランドにアメリカズカップを奪回させることになるのか?
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この他に、アメリカのヨット関係ニュースの解説も読みましたが、グリンダーについては比較的設計上の制限がゆるいことから、今回、ニュージーランドがこのアイデアを採用したのも納得できるという解説でした。

こちらのリンクから、チームニュージーランドのACCデビューまでの動画を見ることができます。
Emirates Team NZ New ACC story を見る

このヨットについて、もう少し掘り下げてみます。
それではまた!
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Gazzetta dello Sporto 15022017

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