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速報!イタリアから第2のチームと中国チームの参戦

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どうやら、イタリアから2つ目のチームと中国チームが36回アメリカズカップに参戦の可能性が濃厚になっているようです! イタリアからは、サルディニア島オルビアをベースとするAdelasia di Torres(アデラシア・ディ・トーレス)。 サルディニア島の北東にある有数の造船地でもあるオルビアを拠点とするチームで、ヨットの造船を地元オルビアで行い、カーボン製のヨットになることも分かっているようです。 チームはすでにモノハルでヨーロッパのヨットレースで数々の成功を収めており、中東からのスポンサーもついており、アメリカズカップ参戦に向けての用意が着々と進んでいるようです。 すでに、中国チーム参戦の可能性について触れましたが、 ニュージーランドのメディアからもその可能性が強いことがわかる情報がでています。 2005年にチャイナ・チームが設立され、2007年アメリカズカップ、バレンシア大会に参戦以来の挑戦になるかもしれません。 参戦への強い意向があっても、中国チームが参戦の条件を満たすことができるかどうかは不明な部分があるとも言われていますが、近年、中国のセーリング界は、ニュージーランドから有能者を招致してセーリングの教育などに力を入れている動きもあるとのこと。 国際ヨットレースでは、もちろん外国人セーラーも入っていますが、中国チームとしてSun Hung Kaiという香港のチームやDongfengというチームもボルボ・オーシャン・レースに参戦中です。 そして、フランスもほぼ参戦の意向が決まっているという情報も入ってきています。 日本からの動きが見えないのが少しきになるところです。 それではまた!   https://www.pressmare.it/it/comunicazione/press-mare/2017-12-05/america-s-cup-adelasia-di-torres-pronta-a-lanciare-la-sfida-11318 http://www.nzherald.co.nz/sport/news/article.cfm?c_id=4&objectid=11955762

AC36ロケーションイメージ公開

12月1日にエミレーツ・チーム・ニュージーランドから、36回アメリカズカップのロケーションイメージが公開されました。 ちょうど、この公開の数日前に、ニュージーランドメディアから、アメリカズカップの会場がオークランドではなく、中東のオマーンやアブダビに会場が移されるのではないか?という情報が流れて、直後にエミレーツ・チーム・ニュージーランドが、この情報を否定し、オークランド開催を公言するコメントを出したので、それを受けてのCG画像でロケーションイメージ公開となったようにも見受けられます。 動画はこちらから。 The vision of Auckland's America's Cup in 2021 場所はオークランドのWynyard Quarter(ワインヤード・クオーター)と Viaduct basin(バイアダクト・ベイシン)のようです。 注目したのは、各チームのベース基地で、アメリカズカップにすでに参戦を表明しているニュージーランド、イタリア、イギリス、アメリカの他に、オーストリア、中国、2つ目のアメリカのベース基地がすでに画像に入っていることです。 スウェーデン、フランス、そして日本の気配がまだありません。 まだ正式な参加登録はスタートしていないので、あまり心配する必要はないと思いますが、中国チームやオーストリアチームの参戦の可能性というのも見逃せないと思います。 アメリカの2つ目のチームはオラクルなのかどうかも注目です。 そして、スイスのアリンギはどうするのか? それではまた! AN EXCITING VISION FOR THE AMERICA’S CUP EVENT VENUE

AC75のデザインコンセプトの注目点

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11月21日に発表された新しいヨットクラスAC75について、イタリアメディアで注目されたポイントを紹介します。 キーワードは 「空中に浮くモノハル」 「転覆しない」 「センターキールがない」 「スタートが攻撃的」 AC75のデザインコンセプトが発表されてすぐに、SNS上でもすぐに新しいヨットへの期待と賞賛のコメントが多く寄せられています。 モノハルの両サイドにT字型フォイルが付いていることで、 モノハルでも空中に浮きながら走行し、フォイルの操作により、通常走行、安定走行などに切り替えができることになります。 カタマランの時にみられたような転覆事故も、フォイルの復元力があるので、バミューダでの惨事は避けることができるという理論です。 この他に、このフォイルがあることで、直進走行をするときには軽風でもできるだけ速度を出し、水の抵抗を軽減することができるので、進路変更時にカタマランでは大きな減速が見られたことに対して、このデザインではジャイビングやタッキングで失速することを最低限に抑えると言われています。 キールがないというのも、将来性を感じさせる革新的なデザインのひとつです。 キールは船の風下での横滑りを防止する機能があるので、ほとんどのヨットの船のお腹の下にはついているのが当たり前とされていますが、AC75ではキールなしで走行ができるというのも技術進歩の見どころになります。 硬質ウィングセールを使わない。 バミューダ大会で使われたAC45のカタマランについていたメインセールは、硬質のウィングセールでした。 これには、毎日クレーンを使ってドックに戻ってきたらセールを取り外さなければいけないという面倒な作業がありました。 その解決策が、今回の硬質ウィングセールを排除することです。 理由として、将来的に他のヨットクラスに変更になった場合にも活用できる技術開発への追求があります。 カタマランでは、硬質ウィングのパワーとコントロールを利用した技術でしたが、この技術は実際に他のヨットクラスのマストには採用されている例がありません。 フォイリングシステムの革新も併せながら、硬質ウィングに伴う取り扱いにくさへの解決作として考慮されています。 また、セーリング方法がプロジェクトのメインテーマでありながら、AC75のデザイ

ルナロッサ、2018年から始動!!!

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ルナロッサからうれしいニュースが飛び込んできました! ルナロッサが、2018年の52 Super Seriesに参戦します。 このレースで使われているヨットTP52は、新しくコンセプトが発表されたばかりのAC75に一番近いヨットクラスと伝えられています。 2021年のアメリカズカップ・ニュージーランド大会の準備として、イタリアのサルデーニャ島、カリアリでベースキャンプを設置し、チーム作りの目的として、52 Super Seriesに参戦が決まりました。 52 Super Seriesのヨットは、モノハルで 最大船体長が15.85メートル(52フィート)、 ビーム幅が4.43メートル(14.5フィート)、 キールドラフトが3.5メートル(11フィート )、 スピネーカーのホイスト高さは22.4メートル(73フィート)、 最小総重量は6,975キログラム(15,377ポンド)、 キール球重量は3,800キロ(8,400ポンド)。 ヨットレースAudi MedCupが、2011年に終了したのをきっかけに、2012年からアメリカのニューヨークヨットクラブの Quantum Racing、イタリアのヨットクラブ・コスタ・スメラルダのAzzurra と、スウェーデンの Rán Racingが中心になって始まったヨットレースで、注目の国際ヨットレースの1つです。 2017年10月には、 Quantum Racingが2021年アメリカズカップの参戦を発表したばかり。 イタリアチーム Azzurra(アズーラ)には、有名スキッパー、元マスカルツォーネ・ラティーノのスキッパー、Vasco Vascotto(ヴァスコ・ヴァスコット)も所属していて、内容的に濃いヨットレースです。 イギリスの Land Rover BARも10月に、 52 Super Seriesへの2018年参戦を公表しており、ルナロッサも参戦となると、華やかなレースになることが期待できます! ルナロッサのプロジェクトは、 以下のようになっています。 <第1段階>2018年2月から5月 すでに建造中の参戦ヨットが完成するまでの期間に、約30人のイタリア人セーラーをチーム入りさせて、トレーニングを開始。 <第2段階>2018年5月 新しいヨットTP52ルナロッサを進

速報!AC75のデザインコンセプトが明らかに!

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AC75の全貌がついに明らかになったお知らせです! T字型フォイルが両サイドについた、フォイルするモノハルです。 両サイドについたフォイルが動くことで、安定性を保ちながらフォイリングし、船体の横転の際にも復元力を持つフォイルとなるようです。 CG動画はこちら! https://youtu.be/rx2qG_YMrDs 詳細もお楽しみに! http://etnz.qiupreview.com/en/news/262_THE-AMERICA-S-CUP-CLASS-AC75-BOAT-CONCEPT-REVEALED.html

36回アメリカズカップの詳細

9月29日に公表されたプロトコルについてお伝えします。 開催時期:2021年1月から3月 ヨット:75フィート(23メートル)モノハル (AC75) 開催地:ニュージーランド、オークランド 予備開催地:イタリア クルー人数:10〜12人 国籍:クルーの80%は、参加チームの出身国の国籍所有者であること 外国人:所属チームの国で少なくとも380日の住民票所持者であること     (2018年9月1日から2020年8月1日の期間を含む) ヨットのプランナー:国籍不問 ルナロッサのスキッパー:マックス・シレーナ ベース基地:イタリア、サルディニア島のカリアリ ヨットクラスの詳細:2017年11月30日に発表 AC75のルール:2018年3月31日に発表 ヨットの建造国:参加チームの出身国 第1艇の進水:2019年3月31日から 第2艇の進水:2020年2月から チャレンジャーレースのメインスポンサー:プラダ 「プラダカップ」 2018年8月31日にワールドシリーズの開催日程、開催地を発表 クラスAC75のボートで、2019年と2020年に一連の予選レースが開催。   2020年12月にすべての挑戦者とディフェンダーが参加するクリスマスレガッタで終了。 プラダカップでは、各チームが用意する2艇のヨットはレースで同時に使用できない。 ただし、挑戦艇選定レガッタの「プラダカップ」期間中は、ディフェンダーは参加しないので、ディフェンダーに限り、2艇をトレーニングの名目で同時に使用することができる。  チャレンジャー・オブ・レコードのルナロッサが、プラダカップの企画、運営を担当し、ディフェンダーのエミレーツ・チームニュージーランドは、アメリカズカップ本戦の企画、運営を担当。 <主なスケジュール> 2017年11月30日: ヨットクラスAC75の構造に関する詳細の発表 2018年1月1日: 挑戦艇、参加登録の受付開始 2018年3月31日: ヨットクラスAC75のルール発表 2018年6月30日:挑戦艇、参加登録の受付終了  2018年8月31日:アメリカズカップ本戦およびプラダカップの開催地発表 2018年8月31日:アメリカズカップ本戦のレースエリアの発表 2018年12月31日:挑戦艇の遅延登録の

速報!36回アメリカズカップの概要

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本日9月29日、ニュージーランド、オークランドで、エミレーツ・チーム・ニュージーランドのチーム代表、Grant Dalton、 イタリアのルナロッサオーナー、Patrizio Bertelli が同席のもと、36回アメリカズカップのプロトコルに関する公式記者会見が開かれました。 記者会見で話題になった概要は以下の通り。 *ヨットは、モノハルで75フィート。 *参加チームは、2艇のヨットを用意する。造船は自国でおこなう。 *セーラーは、参加チームの出身国の国籍所有者で、国を代表した友好を深めるレガッタ。 *2019年、2020年にワールドシリーズの開催。 *ワールドシリーズのメインスポンサーはプラダ。「プラダカップ」になる予定 ちなみに、記者会見では、ルナロッサの代表として元スキッパーのMax Sirenaも参加しており、ルナロッサのベースキャンプは、前回大会準備のために設置されたイタリアのサルディニア島のカリアリに戻ってくる可能性があるような話もしており、イタリア在住の私にとっても楽しみな大会になりそうです! プロトコルの詳細を追ってお伝えする予定です。 日本チームはどのような準備を進めるのかも気になります。 それではまた! https://www.facebook.com/EmiratesTeamNewZealand/

36回アメリカズカップはモノハルに!

9月11日付の報道によると、次回36回アメリカズカップは、モノハルで行われることが、ほぼ確実になりました。 この情報は、同日のニュージーランド発信の報道でも話題になっていますが、イタリアのメディアでも早速報道されています。 イタリア新聞 LA STAMPAで記事になった、サルディニア島ポルト・チェルボに現れたルナロッサのオーナー、Patrizio Bertelli への直撃インタビューの内容をまとめて紹介します。 (9月3日から9日まで、サルディニア島ポルト・チェルボでは、Maxi Yacht Rolex Cup が開催され、9月10日には、地元ヨットクラブ、Yacht Club Costa Smeralda 創設50周年記念のレースも開催されました。) * 次回のヨットはモノハル * チャレンジャー・オブ・レコードで、参加表明するための条件の1つがヨットをモノハルに戻すということだった。ルナロッサは、最終回のアメリカズカップで、ニュージーランドに人材と機材で大きく貢献したから。(次回もカタマランにするのは、ニュージーランドに有利になりすぎる) * プロトコルの正式発表は、今月末。 * モノハルでも、技術面でフォイルやキールで向上するパフォーマンス性の高いヨットになる。 * アメリカズカップの伝統を意識した出身チームの国籍所有者によるチームの参戦。 * アメリカズカップ本戦の前哨戦になるレガッタは、イタリアでも開催を予定したい。 * ポルト・チェルボに来たのは、Maxi Yacht Rolex Cupのセーラーに、イタリア人がいるが彼らは、ルナロッサ黄金時代のセーラーで、ほとんどが50代のセーラー。若い才能を探して育てるのが 今後の目標になる。 * きっとルナロッサだけがイタリア出身チームにはならないので、本腰を入れてチーム作りに望みたい。 その他に、イタリアスポーツ紙、ガゼッタ・デロ・スポルトの記事でも、モノハルが確定したニュースを伝えており、開催地についても触れています。 * 開催地は、ニュージーランドのハウラキ湾。 * イタリアからの参加チームとして、Mascalzone Latinoが最有力候補。 今月末のプロトコルの発表が面白くなりそうです。 それではまた!   http://www.lastam

36回アメリカズカップについて

7月19日にニュージーランドが次回の36回アメリカズカップの概要について公式発表しました。 要点は以下のとおり。 ⚫︎ 具体的なプロトコール(規定)は、9月に発表予定。 ⚫︎ 開催時期は2021年早々。ニュージーランドの夏時期。 ⚫︎ Deed of Giftを尊重し、参加ヨットは参加国の時刻で造船されるもの、参加クルーは自国籍所有者であることが、プロトコルに含まれるものとする。 Deed of Giftとは、アメリカズカップが最初に行われた1851年に勝者のアメリカ号のオーナーたちが「カップの保持者は、いかなる国の挑戦も受けなければならない」と書いた「アメリカズカップの贈与証書」のことです。 下記は、ニュージーランド公式ページのリンクですが、「外国との友好なレース」になることも記載されています。 http://emirates-team-new-zealand.americascup.com/en/preview-news/256_ANNOUNCEMENT-ON-THE-36th-AMERICA-S-CUP.html 次の4年間を目指して、日本にとっての大きな課題は、 日本は国内でヨットを造船することができるのか? 優秀な日本人クルーの獲得ができるのか? 個人的には、ディーン・バーカーはどうするのかも気になることです。 9月のプロトコルで、ヨットクラスも具体的になる見込みです。 イタリアのヨットクラブも、モノハルになるのかカタマランになるのかの決定を心待ちにしているようです。 それではまた!

Emirates Team New Zealand がオークランドで凱旋パレード!

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7月3日にドバイに寄港して、スポンサーのエミレーツに優勝報告をしたチームニュージーランド一行は、7月5日に地元オークランドに到着。 オークランド空港では、マオリ族による歓迎のセレモニーもあったようです。 http://emirates-team-new-zealand.americascup.com/en/preview-news/255_EMIRATES-TEAM-NEW-ZEALAND-AND-THE-AMERICA-S-CUP-ARRIVE-IN-AUCKLAND.html (7月3日の写真ギャラリー) https://www.facebook.com/EmiratesTeamNewZealand/posts/1773632912661753 (7月5日の写真ギャラリー) https://www.facebook.com/EmiratesTeamNewZealand/posts/1776027412422303 昨日、7月6日にオークランドで豪華な凱旋パレードが行われました。 沿道には大勢の観客が歓迎し、今日のパレードでも、マオリ族から祝福のセレモニーも。国民に大切にされているチームだということがとてもよく分かる光景で、アメリカズカップが今回ニュージーランドに行って、国を代表してアメリカズカップを戦ったということに大きな価値があるように思えました。 次回36回アメリカズカップの詳細の公表まで、まだ時間がありますが、開催年はどうやら2021年が有力のよう。 凱旋パレードの全編はこちらのリンクから見ることができます。 https://youtu.be/AXXO5qEBw_I それではまた!

イタリアヨットクラブの動き

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ニュージーランドがアメリカズカップを獲得した同じ日に、イタリアのルナロッサが、チャレンジャー・オブ・レコードになったことで、翌日の新聞紙上も賑やかになりました。 <ガゼッタ・デロ・スポルト>スポーツ新聞 「Kiwisの大勝利」 「トロフィーを故郷に持ち帰る」 「オークランドは英雄を待っている」 「ルナロッサは、イタリアンスピリットで戻ってくる」 ベルテッリ「我々の伝統の航海術を集約したベストチームを作りたい」 <ラ・レプブリカ>有名全国新聞 「Kiwis大勝利のあとイタリアの復帰」 「チャレンジャー、ルナロッサ」 <コリエーレ・デラ・セーラ>有名全国新聞 「ルナロッサの復活」 「ニュージーランドがアメリカズカップを勝ち、ベルテッリはKiwisに挑戦」 「次はイタリアにアメリカズカップを持ってこよう」 <ジョルナーレ・デラ・ヴェーラ>ヨット専門誌 「オラクルの時代の終焉。ニュージーランドの時代の幕開け」 「イタリアは大きな夢を抱くことができる」 「ラリー・エリソンやラッセル・クーツに未練はない」 <パンビアンコ>フッッション業界紙 「ベルテッリがルナロッサを再びアメリカズカップに持ち込む」       さらに、イタリアからのチャレンジャーチームとして、新たな候補名が噂されています。 ーマスカルツォーネ・ラティーノ ナポリを本拠地にする有名チームのうちの1つ。2007年のヴァレンシア大会にも参加し、現在も世界のヨットレースで活躍中の有名チーム。 ーアズーラ サルディニア島にある、イタリアで最もグラマーなヨットクラブと言えるポルト・チェルボを本拠地にするヨットクラブ・コスタスメラルダのクラブで、今年ヨットクラブ設立50周年を記念し、アメリカズカップ終了後、翌日に参戦を検討しているというメッセージを公式発表。 アズーラは、1983年にイタリアから初めて参戦したチャレンジャーとしてアメリカズカップに挑戦したチーム。 これらのチームの他に、スイスのアリンギ、ニューヨークヨットクラブの名前も有力視されています。 また、フランスの情報サイト「ル・テレグラム」によると、次回のアメリカズカップは、モノハルになる可能性が高く、開催年はおそらく2020年の11月ごろか、2021年になるかもしれないという

ニュージーランド優勝に関するコメント

ニュージーランドがアメリカズカップを獲得したあとの著名人のコメントをご紹介します。 <グラント・ダルトン>ニュージーランド総監督 アメリカズカップ優勝を果たし、今、我々が成し遂げたことを実感している。  アメリカズカップをオークランドで開催することは、「権利」ではなく、「名誉」。 2013年のサンフランシスコ大会では、ニュージーランドがどのチームよりも先駆けて、フォイル(ダガーボード)を革新したもののそれだけでは勝利に及ばなかった。 2013年に逆転負けした時に、チームは一度死んだ。 そこから、再起を誓い、チームを立て直すために、約20の課題に取り組むことから始めた。高給取りのセーラーを呼び込むより、自国の若い才能を見つけ出すことにも注目し、ピーター・ブーリングを始め、自国のスタッフを採用した。 次回のアメリカズカップは、今回の要素を維持しながら、多くのチームが参加できるように、信頼できる内容に作り、経済的にも実現可能なレースで、これは世界最高峰のヨットレースアメリカズカップだということを忘れないよう、競争力があり、決してチープなイベントにならないようにすることを考えている。 <マックス・シレーナ>元ルナロッサスキッパー、ニュージーランド技術コーチ この勝利は、過去の6回の体験の中でも格別な勝利。 ニュージーランドの中に、イタリアが存在していることも誇りに思う。 今回のチーム構成は、80%近くを若い才能を起用して一新し、実現することが決して簡単ではないプロジェクトを可能にしたことを、この勝利で実感した。 <ポール・ケイヤード>現役トップセーラー、元イル・モーロ・ディ・ヴェネツィアの伝説スキッパー ニュージーランドが今回最強だった。 斬新なアイデアを採用し、それを最大限に活用し、アメリカズカップを獲得する目標を達成したことは賞賛の値がある。 最終日のレース9でも、ピーター・ブーリングは大切なタイトルをかけてレースを戦っているのではなく、まるで休日に気ままなセーリングをしているようだった。 彼は、10ヶ月前にリオオリンピックで金メダルを獲得し、10ヶ月後にアメリカズカップを獲得するなんて、26歳なのにこれから何をしていくのだろうと思った。 バミューダは、クリスタルの海でとても快適なロケーションだった。 5週間でレースが集中して行

第35回アメリカズカップ、ニュージーランド優勝!ルナロッサ第36回のチャレンジャーオブレコード!

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今日もニュージーランド好みの風速8.7ノットの微風のコンデションでした。 スタートはほぼ同時で、オラクルがマーク1を1秒リードで通過。 レグ2でニュージーランドがオラクルのウィングウォッシュを受けるのを避けながら、ジャイブして、ここで逆転リード。 ゲート2をニュージーランドが5秒リードで通過、オラクルは別のボアを選択したものの、操縦ミスがあり一瞬の失速。 レグ3でもニュージーランドは着実にリードを伸ばし、オラクルは別コースから攻め続けるものの、効果がなくリード差は180メートルに。 レグ6でリード差は380メートルまで開き、オラクルには為す術もない状況に。 ニュージーランドがそのままゴールして、8勝、スコア7対1でアメリカズカップ獲得が決定した瞬間に! 1995年、2000年に続いて3度目の優勝! オラクルのゴール直後に、ニュージーランドのクルーから健闘を祝福する拍手がオラクルに向けて送られましたが、スピッティルはそれに応えることなく、レース直後のインタビューでも、涙声で答えるシーンが見られました。 レース直後のラリー・エリソンとジェームス・スピッティル。 ニュージーランドのボス、グラント・ダルトン。 少し感動しているように見えました。 アメリカズカップ授与の瞬間。 下の写真は、グラント・ダルトンと2003年からチームマネージャーでイタリア人のマテオ・デ・ノーラ。 元ルナロッサのマックス・シレーナも表彰台でアメリカズカップを掲げる場面もありました。 ニュージーランドの表彰の前に、オラクルが表彰され銀メダルを贈呈されていましたが、ジェームス・スピッティルはメダルをつけることはありませんでした。 この大会は、アメリカズカップが世代交代を含めて、もう1度変わろうとしていることを意味しているように思えました。 ニュージーランドのヘルムスマン、ピーター・ブーリングは、26歳で史上最年少のアメリカズカップの優勝セーラー。 2013年の逆転負けから今回のリベンジを体験したのは、タクティシャンのグレン・アシュビー。 無敵のセーラー、ラッセル・クーツはこれが初めての敗戦。 過去から続いていた、ジェームス・スピッティルとディーン・バーカーのライバル伝説もこれで終わり。 投資予算がオラクル100億円以上、ニ

アメリカズカップ/第4日/レース7、8

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オラクルがどのようなパフォーマンスをするのか注目になった今日の2レース。 <レース7> Emirates Team NZ (o) vs Oracle Team USA (x) 風速は、9−10ノット。 スタート前の駆け引きを制したのはニュージーランドで、オラクルの歯切れの悪いスタート前のパフォーマンスが気になりました。 マーク1をニュージーランドがリードで通過し、ゲート2もニュージーランドがオラクルに対して5秒リードで通過。 レグ3で、両チームはそれぞれ別コースを取り、進行するものの、ニュージーランドのリードは280メートルにまで広がり、ゲート3はニュージーランドが32秒リードで通過。 レグ6では、ニュージーランドもスピードダウンする場面もあり、リード差が390メートルから160メートルにまで詰まりますが、オラクルはそれ以上リードを詰めることができず、ニュージーランドはそのままリードをキープしてゴール。 これで、6勝目を飾り、スコアは5対1。 <レース8> Emirates Team NZ (o) vs Oracle Team USA (x) 風速は9.1ノット。 スタート前エリアで、両チームのヨットが横並びになり接触しそうになりそうな場面があり、一瞬スピードダウンしましたが、ニュージーランドがすぐにスピードを回復し、ニュージーランドがオラクルよりかなり先に進行してスタートラインを切ることに。 このスタートもオラクルのミスが目立つ場面でした。 マーク1をニュージーランドが先に通過。ゲート2はニュージーランドは24秒リードで通過し、オラクルはニュージーランドが使ったボアとは別のボアを通過。 レグ3で、リード差が110メートル近くにまで詰まって、ゲート3をニュージーランドが先に通過した頃に、オラクルがゲート前のエリアで境界線から船体が飛び出して進行したペナルティーを受け、ここで、失速。痛いミスになってしまいました。 その後も、オラクルはノーズダイブして、10ノットまで失速するミスもあり、レグ5ではリード差が390メートルに再び広がり、フライタイムも95%というよくないパフォーマンスになってしまいました。 ニュージーランドがリード差を500メートルにまで広げて、そのままゴール。 これでニュージーランドは7勝目。 ス

アメリカズカップ/第3日/レース5、6

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今日のレースの注目は、5日間のオフを過ごして、オラクルはスピードを取り戻せるのか、どのように取り戻すのか?という部分だと思います。 風速は、11.3ノットで、前日のトレーニング中にオラクルのジェームス・スピティルが手首を負傷して、包帯を巻いて今日のレースに挑んだことも話題になっていました。 <レース5> Emirates Team NZ (o) vs Oracle Team USA (x) スタート前エリアで、ニュージーランドがレイラインよりの位置を取るものの、両チームともスタート時間に対して、早めの速度でスタートラインに近づきすぎたため、スタートの合図では、オラクルがスタートのフライングでペナルティーを受けます。  ニュージーランドがこのチャンスを利用し、40ノット近くのスピードでマーク1を通過。  ゲート2では、ニュージーランドはアメリカに対して5秒リードで通過。 しかし、今日のアメリカは先週と違うことがレグ3あたりから見えてきます。 50メートルあったリード差が17メートルに詰まり、アメリカが逆転。 両チームが交差した際にアメリカが2度目のペナルティーを受け、ニュージーランドが再逆転。 ゲート3をニュージーランドリードで通過。 アメリカはゲート3前にスピードダウンするミスがあり、リード差を26秒に広げてしまいます。 レグ4でも、アメリカが9ノットまでスピードダウンする操作ミスがあり、ニュージーランドは、リードを500メートル以上に広げてそのままゴール。 ニュージーランドの5連勝目となり、スコアは4対0に。 <レース6> Oracle Team USA (o) vs Emirates Team NZ (x) 風速は、10.7ノット。 スタート前エリアの駆け引きは、レイラインに近づこうとしたアメリカを横切るようにして、ニュージーランドがレイラインよりに位置して、両チームほぼ同時のスタート。 マーク1はアメリカが3秒リードで通過。 レグ2からアメリカとニュージーランドが逆転を繰り返すレース運びになります。 ゲート3までアメリカリードで、レグ4でアメリカがスピードダウンしたことにより、ニュージーランドが再逆転してゲート4を通過。 ゲート5前で、アメリカがリード差を詰め、ゲートを両チームほぼ

バミューダにルナロッサの気配

アメリカズカップ後半のレース再開を目前に、ルナロッサのオーナー、パトリッツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli) がバミューダ入りしたというニュースです。 イタリアのヨット専門誌VELAによると、 アメリカズカップの観客としての公式訪問であり、チームニュージーランドと対談するため。 これは、ルナロッサの次回アメリカズカップへの参戦を検討するためであり、仮にチームニュージーランドがアメリカズカップを優勝したとしても、ベルテッリ氏は、本来ならモノハルの方が好みとして知られているものの、ニュージーランドがヨットクラスを技術の向上維持を理由にカタマランに維持する可能性があるため、その意向を探ることも意味している。 モノハルか、カタマランかの決定が、次回アメリカズカップのチャレンジャーオブレコードにどのチームが立候補するか大きく影響を与える。 チームニュージーランドが、現時点でベルテッリ氏に保証できることは、 ー 今より平等なレース形式にすること ー 規定の共有 ー チームとヨットクラブが代表を名乗る国に属性があること ー ニュージーランドとルナロッサの協力関係の継続  ーーーこれに関しては、ルナロッサが今回のアメリカズカップへの参加辞退を決めた後、ルナロッサはニュージーランドがワールドシリーズをスタートさせるために、ルナロッサのAC45をニュージーランドに譲ったという、両チームの友情と絆に関わるエピソードがあるから。 ニュージーランドが今回のアメリカズカップで優勝し、次回に向けてカタマランを選んだとしても、ルナロッサはその選択を妨害するようなことはしないだろう。 なぜなら、今回のニュージーランドの中にルナロッサに起用できるスタッフがすでに所属しているから。 ルナロッサが復帰するにあたり、もっとも大切な要素の1つは、レース参加にあたり今回のように防衛艇チームが決める規定のいいなりにならないこと、受け身にならないこと。 ルナロッサの動向は、スイスのアリンギのオーナー、エルネスト・ベルタレッリ(Ernest Bertarelli)にも大きく影響する。 彼も先週バミューダ入りして、ニュージーランドと対面していることからも、その影響は予想される。 レース再開を目前にして、ラッセル・クーツがドイツのヨット雑誌のインタビューで語っ

レッドブル ユース アメリカズカップ

日本からは、海神チームジャパンが出場していたレッドブル・ユース・アメリカズカップが、6月12日から開催され、今日21日が決勝レースで、イギリスのLand Rover BAR ACADEMY が、ニュージーランドのNew Zealand Sailing Team に2ポイント差で、見事優勝を決めました。 <総合スコア> 1. Land Rover BAR Academy (イギリス) 50 pts, 2. NZL Sailing Team (ニュージーランド) 48 pts, 3. Team Tilt (スイス) 42 pts, 4. Artemis Youth Racing (スウェーデン) 37 pts, 5. Team France Jeune (フランス) 35 pts, 6. Spanish Impulse by IBEROSTAR (スペイン) 34 pts, 7. SVB Team Germany (ドイツ) 33 pts, 8. TeamBDA (ベルギー) 33 pts イギリスチームの優勝の瞬間の動画はこちらのリンクから。 https://twitter.com/RBYAC/status/877623025381789696 イギリスチームの優勝で注目したのは、クルーに女性も起用されたことです。 彼女の名前は、Annabel Vose。22歳で、2014年に男性を相手にユースナショナルズ(おそらく国体のようなレースでしょうか)で勝利し、女性として初めての学生チャンピオンになったという記録を持っているスポーツ万能女子のよう。 アメリカズカップ自体、男性中心のレースですが、こうして女性も起用されるのも、興味深い点です。 また、日本の海神チームジャパンは、予選グループAで敗退してしまいましたが、今回の参加クルーには、Extreme Sailing Seriesに参加しているメンバーもいるようですので、ソフトバンクチームジャパンに日本人クルーが増えることも期待しながら、将来のチームの発展を見守るべきでしょう。 私がもう一つ注目したのは、参加チームの数。 全部で12チームです。 アメリカズカップの2倍のチーム数で、中にはスペインやドイツ、ベルギーなど、アメリカズカップではおなじみではない国からも参加があ

アメリカズカップ/第2日/レース3、4

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レース前の風速は9.9から11ノットで今日も微風でのレースになりました。 昨日のレース終了後、両チームのヘルムスマン会見では、「風の動きをとても判断しにくい状況」だというコメントが出ていました。 <レース3> Emirates Team NZ (o) vs Oracle Team USA (x) スタートはほぼ同時でしたが、レイライン側のポジションを取ったニュージーランドが、スタート直後のオラクルからのプレッシャーをうまくかわして、ゲート2をニュージーランドが先に通過。 両チームはゲート2を別のボアを周り、レグ3でニュージーランドが100メートル以上のリードを作ります。 ゲート3を、オラクルは32秒遅れで通過。 レグ4でリード差は最大500メートルに広がります。 ゲート4を、オラクルは44秒遅れで通過。 ゲート5を、オラクルは49秒遅れで通過。 ゴール前のファイナルレグでは、ニュージーランドが最大700メートルのリードを作り、そのままゴール。 これで3勝目になり、スコアは2対0でニュージーランド有利。 <レース4> Oracle Team USA (x) vs Emirates Team NZ (o) 風速は10ノット。 スタート前エリアで、オラクルの方がレイライン側のポジションを取り、両チームともほぼ同時のスタート。 ニュージーランドは、有利ではないポジションにもかかわらず、スタート直後のスピードアップに成功し、オラクルより先に出ます。 マーク1をニュージーランドが4秒リードで通過。 ゲート2をオラクルは9秒遅れで通過。 レグ3でリード差が140メートルから200メートルに広がります。 ゲート3で、オラクルが43秒遅れで通過。 レグ4でニュージーランドがリード差を530メートルに。 特に目立つミスが無いまま、ゲート4、ゲート5もニュージーランド先行。 レグ6では870メートルのリード差をニュージーランドが作り、そのままゴールまで一目散に到着。 これで、ニュージーランド4勝目。 総合スコアは、3対0でニュージーランド有利。 昨日のレース後に、ニュージーランドは、スイスのアリンギのオーナーであるエルネスト・ベルタレッリ(Ernest Bertarelli)に面会したそうです。 この面会の

アメリカズカップ/第1日/レース1、2

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攻撃的なセーリングが特徴なことから、通称ピットブルと言われる、オラクルのJames Spithillと、ルイヴィトンカップで常に心配数が低かったことから、「冷静沈着」という形容詞がついた、ニュージーランドの若きヘルムスマン、Peter Burlingの戦いが、いよいよ始まりました! この戦いは、セーリング技術はもちろん、両チームの神経の削り合いになる戦いになるだろうと言われています。 伝統か、革新か。少なくとも、次回36回アメリカズカップの運命が今回のレースで決まろうとしています。 <レース1> Oracle Team USA (x) vs Emirates Team NZ (o) 風速は8ノット前後で、微風のコンディション。 スタート前の両チームの駆け引きで、オラクルがスタート時0秒にスタートラインを超えたフライングで、ペナルティーを受けます。 ニュージーランドはこのチャンスを活かして先行しマーク1を通過。 その後も順調にオラクルに対してリードを伸ばし、安心して勝てるかと思わせるセーリングでしたが、最後のゲート6でニュージーランドが大胆なノーズダイブ。 ここで失速し、オラクルとのリード差が55秒に詰まりますが、ノーズダイブからすぐに体制を立て直し、オラクルに対して30秒差をつけて無事ゴール。 この1勝で、オラクルがルイヴィトンカップ、ラウンドロビンで獲得したボーナスポイント1を失ったことになるので、トータルスコアは、0対0のタイに。 <レース2>Oracle Team USA (x) vs Emirates Team NZ (o) スタート時の風速は8.7ノット。 スタートは両チームともほぼ同時でしたが、レイラインよりの位置からスタートしたニュージーランドがスタート後、すぐにオラクルを引き離すことに成功。 マーク1では、オラクルが5秒遅れで通過。 第2レグで、ニュージーランドはすでに135メートルリード。 ゲート4で1分35秒遅れで通過したオラクルでしたが、風向きの変化をうまく利用して、ゲート5ではニュージーランドの背後に詰め寄る距離に。 ゲート5を通過した直後のオラクルがジャイブに失敗し、7ノットのスピードまで減速してしまいます。 これが原因で、オラクルはニュージーランドに追いつくチャンスを失い