アメリカズカップ/第3日/レース5、6

今日のレースの注目は、5日間のオフを過ごして、オラクルはスピードを取り戻せるのか、どのように取り戻すのか?という部分だと思います。
風速は、11.3ノットで、前日のトレーニング中にオラクルのジェームス・スピティルが手首を負傷して、包帯を巻いて今日のレースに挑んだことも話題になっていました。

<レース5> Emirates Team NZ (o) vs Oracle Team USA (x)
スタート前エリアで、ニュージーランドがレイラインよりの位置を取るものの、両チームともスタート時間に対して、早めの速度でスタートラインに近づきすぎたため、スタートの合図では、オラクルがスタートのフライングでペナルティーを受けます。

 ニュージーランドがこのチャンスを利用し、40ノット近くのスピードでマーク1を通過。
 ゲート2では、ニュージーランドはアメリカに対して5秒リードで通過。
しかし、今日のアメリカは先週と違うことがレグ3あたりから見えてきます。
50メートルあったリード差が17メートルに詰まり、アメリカが逆転。
両チームが交差した際にアメリカが2度目のペナルティーを受け、ニュージーランドが再逆転。

ゲート3をニュージーランドリードで通過。
アメリカはゲート3前にスピードダウンするミスがあり、リード差を26秒に広げてしまいます。
レグ4でも、アメリカが9ノットまでスピードダウンする操作ミスがあり、ニュージーランドは、リードを500メートル以上に広げてそのままゴール。
ニュージーランドの5連勝目となり、スコアは4対0に。


<レース6> Oracle Team USA (o) vs Emirates Team NZ (x)
風速は、10.7ノット。
スタート前エリアの駆け引きは、レイラインに近づこうとしたアメリカを横切るようにして、ニュージーランドがレイラインよりに位置して、両チームほぼ同時のスタート。

マーク1はアメリカが3秒リードで通過。
レグ2からアメリカとニュージーランドが逆転を繰り返すレース運びになります。
ゲート3までアメリカリードで、レグ4でアメリカがスピードダウンしたことにより、ニュージーランドが再逆転してゲート4を通過。

ゲート5前で、アメリカがリード差を詰め、ゲートを両チームほぼ同時に、それぞれ別のボアを通過。
レグ6でアメリカが160メートルのリードを作り、そのままかろうじて逃げ切り、ニュージーランドに11秒差をつけて、アメリカズカップ本戦で初勝利を飾りました。
これで、スコアは4対1。


今日のレースで、アメリカは微風でもニュージーランドと対等に戦えることを証明しました。
何が変わったのか?
ポール・ケイヤード(Paul Cayard)の解説では、「エレベーター」と呼ばれるラダーフォイルを変えたようです。先週まで使っていたものに対して、表面積がより小さなラダーボードにしたことで垂直抗力の減少が劇的になったということです。

また、個人的に気がついたのは、これまでアメリカのカタマランには、自転車操縦機能が、スキッパーの後ろについていましたが、今日使われたアメリカのカタマランには自転車がなくなっており、タクティしゃんのトム・スリングスリーは、今まで忙しそうに自転車とグラインダーを操作していたのが、今日のレースはグラインダーを回すことに専念していました。
これって、もしかして、ソフトバンクがアメリカに船体の一部を提供した様子がリークされ、アメリカはスペアのヨットを作るはずだという噂がありましたが、スペアのヨットで自転車がなくなった?そんなことを勝手に考えました。

レース後の会見で、アメリカのジェームス・スピティルが発言したのは、「これから逆襲が始まる」と。
というわけで、まだアメリカズカップは終わりません。
明日も両チームのパフォーマンスに注意です。
それではまた!
 https://www.americascup.com/en/news/2713_The-fightback-begins-.html

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