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2020年ACWS第2戦の開催地は、イギリス!

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久しぶりの更新になりましたが、来年のアメリカズカップワールドシリーズ(ACWS) 第2戦の開催地がイギリス、ポーツマスに決まったことが12月17日に正式発表されました。 日程は、2020年6月4日(木)ー7日(日)です。 既にお伝えしているように、第1戦はイタリア、カリアリで4月23日から26日に予定されています。 4月のカリアリ大会に備えて、イギリスチームは12月10日付インスタグラムでは、チームがカリアリに引っ越してきた様子が投稿されました。  4月と6月のレガッタを終えた後は、12月17日から20日の期間で、ニュージーランド、オークランドでクリスマスレガッタが予定されています。 2021年に入ってから、Prada Cup Challenger Selection Seriesが開催され、ディフェンダーであるEmirates Team NZに挑戦するチャレンジャーを選定するレガッタが開催されます。 そして、2021年3月6日から21日がアメリカズカップ本戦です。 現状で、参加チームとして日々のトレーニングの様子が公開されているのは、イギリス、イタリア、アメリカ、ニュージーランドの4チームで、アメリカのもうひとつのチーム、Stars & Stripes Team USAのAC75艇の準備状況に関する最新情報は入ってきていません。 トレーニング中の4チームで注目されているポイントは、船体のデザインの違いです。 次回はこの辺りに触れた内容にしたいと思います。 それではまた!

イギリスINEOSもAC75を進水!

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ルナロッサの後を追うように、10月4日にイギリス・ポーツマスで、INEOS TEAM UKのAC75が進水されました。 名前は、Britannia。 命名者であるゴッドマザーは、INEOS TEAM UKのオーナーSir Jim Ratcliffeのお嬢さんが務めたそうです。 Britanniaには、長い歴史とイギリス人の想いが込められた名前です。 それは1740年代に執筆されたJames Thomson著"Rule Britannia"に由来し、ウェールズ王子だったエドワード7世が、1893年に建造したヨットBrittaniaが初代になります。 その後、イギリス王ジョージ5世がオーナーとなり、J-Class レースで使用し、1930年から1937年に開催された3回のアメリカズカップに参戦しています。 Britanniaは、231レースの勝利、121タイトル獲得という記録を残しました。 ジョージ5世の生前に、「Britanniaは、自分より(ジョージ5世より)長生きしてはいけない」と命じたため、ジョージ5世の死後、1936年にSpar(マストやブームのような円材)と備品が船体から取り除かれました。 イギリス海軍によって、ワイト島沖のセント・キャサリンズディープまで移されました。 それは、偶然にも1851年にアメリカズカップが行われた同じ海域だったのです。 また、ヨットのマストとフィッティングのパーツは、その後44年間に渡りイギリス王室の航海船ブリタニア号の操縦室に取り付けられたりなどして、ヨットBiritanniaの完全な沈没は免れたという歴史があるそうです。 そんな背景を持つイギリスINEOSのブリタニア。 他の国にはない、イギリスらしいエピソードがあって情緒を感じる名前です。 「新たな歴史を作るために、過去の歴史にインスパイアされた名前。それがブリタニア」 その動画はこちらです。 ブリタニアを数字で解説すると。 建造時間:50,000時間以上 デザイン時間:90,000時間以上 CNC (Computerized Numerical Control) 時間:45,000時間以上 個別パーツの個数:25,000個 想定の最高スピード:50ノット、57.5mph 、時速92.6km

Luna RossaがAC75を進水!

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10月2日にイタリアのサルディニア島、カリアリにあるルナロッサの本拠地で、AC75の進水式が賑やかに行われました。 式次第は、イタリアの伝統に従った地元カリアリの司教の祈祷に始まり、 シャンパンボトルを船頭ボウに叩きつけて、「ルナロッサと命名する!」と宣言する大役を務めたのは、もちろんミウッチャ・プラダ。 ルナロッサのメインマネージャーであるパトリッツィオ・ベルテッリの奥様だからです。  これで8隻目のルナロッサの誕生です! 進水式の参列者として、イタリアの現首相ジュゼッペ・コンテ氏も出席して、ルナロッサの誕生を観覧したと話題になりました。 デザインとイタリアが誇る最先端の海洋技術がぎっしり詰め込まれたこのAC 75。 数にすると以下のようになります。 関係スタッフ:総勢90名。うち37名はデザイナー 稼働時間:78000時間 使用したカーボンワイヤー:7000メートル アルミ製のハニカム構造シート:400平方メートル それぞれが500キロのフォイルアームと最大負荷27トンまでの耐久性がある可動性のカーボンディンギー。 もう一つの新しい構造は、「ソフト・ウィング」。 このシステムは、平行に吊り上げられた2つのメインセールで構成されており、内部にセールのフォームをコントロールする装置が挿入されています。 これにより、もともと硬直な性質を持つウィングに匹敵する効率を発揮しながら、従来のセールと同じような使いやすさ、操縦のしやすさを兼ね備えています。 ソフト・ウィングの建造には、20,000kmのカーボンワイヤーが使用され、 それぞれのジブを織るために5,000km、Code Zero部分には、12,000kmのカーボンワイヤーが使われているそうです。 翌日10月3日のイタリア主要新聞でも大きく取り上げられていました。  『ルナロッサ、飛ぶ準備ができた』  『8回目のルーナの夜明け』『全てが新しいアメリカズカップ』 さらに、こちらの リンク からは、ルナロッサのAC75のデザインをもっと詳しく知ることができます。 当日の進水式の動画は、こちらからご覧になれます。 イギリスチームINEOSも進水が間近です! それではまた!

American MagicがAC75を正式に進水!

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先日、初セーリングをお伝えしたAmerican MagicのAC75の正式な進水式が、9月15日に行われたというニュースが入ってきました! ヨットの名前は、DEFIANT 日本語だと挑戦的なという意味が適しているかもしれません。 建造に約76000時間費やされたそうで、16年ぶりにアメリカズカップに挑戦するニューヨークヨットクラブの歴史に加わるボートになります。 今年の秋は、ロードアイランド州でトレーニングして、冬にはフロリダ沖でトレーニングをする予定とのことです。 それではまた! 進水式の様子かこちらの動画からご覧になれます。

American MagicもAC75進水⁈

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どうやら、ニューヨーク・ヨットクラブのAmerican MagicもAC75を進水させたようです。 大々的な「進水式」は、行わなかったようで、ニューポート、ロードアイランド沖で9月11日に撮影された写真がAmerican Magicの初セーリングとして公開されています。 https://americanmagic.americascup.com/ その写真がこちら。 イタリアのセーリング情報誌によると、American MagicのAC75は、ニュージーランドのAC75に比べると、クラッシックなデザインのコックピットで平坦なフォームの船体だと言われています。 一方、オークランドでトレーニングを始めたニュージーランドのAC75の写真もありますが、ここではどうやらLuna Rossaのゴムボートらしい「スパイ」が写っていると言われています。 https://www.giornaledellavela.com/2019/09/11/coppa-america-american-magic-emirates-team-new-zealand/ イギリスチームのINEOSも近々AC75の進水予定があり、イタリアのLuna RossaのAC75の進水は、9月末か10月初めと言われています。 それではまた!

AC75進水の先陣を切ったのはEmirates Team NZ !

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ついに、新型ボートAC75を進水させたのは、Emirates Team New Zealand でした! 9月6日に地元のオークランドで、ニュージーランド首相も参列し、マオリ族の儀式も交えた進水式が行われました。 進水したAC75は、マオリ語で「Te Aihe」日本語で「イルカ」と命名されました。 名前は、マオリ族のwhakatauki(ファカタウキ=格言)に由来するそうです。 マオリ語 “Mā te Aihe e tuitui ai i te ngaru moana, mā te Rangatira e tuitui ai i te tangata”. 「イルカが海で見せるように、リーダーは人々を繋いでまとめる」つまり、イルカたちがいかに融合して共存しているか、イルカから学ぶことができるということではないでしょうか。 2017年6月にバミューダで、ニュージーランドチームがアメリカズカップを勝利してから、2017年11月にデザインコンセプトが発表され、わずか1年半という短期間で、前代未聞のボートを数字にすると以下のようになります。 23 : 新しいボートの全長は、23メートル 26.5 : デッキから測ったマストの長さは、26.5メートル 11 :  乗船クルーの人数は、11人 6.5 : ボートの総重量は、6.5トン 5 : フォイルの幅、と喫水(船脚)は、5メートル 4 : フォイルを広げた時の幅は、4メートル 65 : ボートの造船に関わったスタッフ人数。デザイナー30人 ボート建造者35人がTe Aiheの誕生に関っています。 100,000+ : ボートの建造にあたり費やされた時間は、10万時間以上。 2021 : 第36回アメリカズカップの開催年。2021年3月6日から21日の予定。 1851 : アメリカズカップの発祥年 3 : ニュージーランドチームのアメリカズカップ勝利回数 バミューダ大会で使われたAC50とは比べ物にならないほど、多くの技術やデザインアイデアが盛り込まれているというAC75。 アメリカズカップの大義である航海技術の発展と探求を貫くコンセプトを反映したモデルになったと言われています。 他のチャレンジャーチームは、AC75のミニチュア版を先に

Luna Rossa AC75の進水式は延期に!

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以前の投稿で、去る8月25日にルナロッサのAC75の進水式が、サルディニア島のカリアリで行われる予定とお伝えしました。 しかし…8月25日の当日には、何も起こらずに過ぎてしまいました。 いったい何があったのだろうと、調べたところ、 8月22日付のイタリアの時事通信ANSAにて、進水式の予定が延期されたという情報をキャッチしました! その理由は。 他のチームよりも早くAC75の完成を披露することは、決して有利な状況を作るとは言えない。という判断が下された。ということらしいです。 http://www.ansa.it/amp/sito/notizie/sport/altrisport/2019/08/22/varo-luna-rossa-slitta-a-fine-settembre_6b3299d3-30b6-4c74-bc7f-66e81f148414.html 延期になった進水式は、いつになるかというと、 現在の可能性としては、9月下旬になる見込みとか。 8月20日にカリアリのルナロッサのベースの近くまで寄ってみました。 その時は、イタリアの夏休みらしい雰囲気があり、のんびりとした8月のある日。という雰囲気でした! というわけで、新しい進水式の予定が入って来たら、更新します! それではまた!

AC75完成まであとわずか!

8月25日にルナロッサのAC75の進水が予定されていますが、 Emirates Team Nz , Ineos Team Uk, NYYC American Magic でも完成間近であるという情報が入っています。 Emirates Team Nz は、イタリアからフォイルアームを取り寄せたようです。 https://www.instagram.com/p/B1IMutEo195/?igshid=1olj2j930ud2i AC75完成までに、サイズの小さいヨットを使ってトレーニングが行われていますが、転覆しないヨットのはずが、やはり転覆も発生することもあるという画像も入手しました。 こちらはIneos Team UKの様子です。 https://www.instagram.com/p/B1NupOuhyy-/?igshid=pazk50lzoihy 最後のエントリーになったStars +Stripes Team USA も年内のAC75完成予定ということです。 アメリカズカップから配信されている最新動画はこちらのリンクから。 https://youtu.be/IouSQIgDdyo それではまた!

ACWS初戦レガッタの予定発表!

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7月13日にアメリカのロードアイランド、ニューポートにあるニューヨーク・ヨットクラブで、クラブ結成175周年を記念して、開催されたイベントでアメリカズカップ・ワールドシリーズの初戦レガッタの日程が公式発表されました。 日程:2020年4月23日ー4月26日 場所:イタリア、サルディニア島のカリアリ ご存知のように、サルディニア島のカリアリにはルナロッサのベースがあります。 レガッタは現在準備中のAC75で行われます。 2017年アメリカズカップで採用されたカタマランAC50と今回のAC75にどのくらい違いがあるのかというと、こちらの画像をご覧になると明らかです。 現時点での参加予定チームは以下のようになっています。 Emirates Team New Zealand Luna Rossa Prada Pirelli Ineos Team UK NYYC American Magic Stars + Stripes Team  カリアリでのレガッタを予想したCGはこちらからご覧いただけます。  (You Tube) ACWS Sardegna April 2020  ニューヨークヨットクラブでのイベントでは、過去のアメリカズカップで活躍したアメリカ人エンジニアやルナロッサのAC75の建造に携わるエンジニアとのトークセッションがあったほかに、ヨットのマストやアパレル製品で有名なブランドNorth Sail がアメリカズカップのアパレル関係のオフィシャルサプライヤーになったことも発表されました。 AC75が来年イタリアでレガッタを行うのが楽しみです! それではまた!

速報!オランダチームが参加撤退

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本日7月1日にアメリカズカップ委員会からオランダチームDutch Sailが第36回アメリカズカップから撤退する意向をRoyal New Zealand Yacht Squadronに正式に伝えたことが発表されました。 史上初のオランダチームの参戦が発表された時は、地元の海洋産業界を始め多くの商業団体から注目を集めたにも関わらず、2021年の挑戦のプロジェクトは断念されることになったと伝えられています。 一方、オランダチームと同じく今日が参加意思表明の期限になっていたカリフォルニアのLong Beach Yacht Club - Stars + Stripes Team USAは、6月30日に参加意向を表明し、アメリカズカップワールドシリーズ第1戦となるイタリア、カリアリで開催予定のレガッタに向けて準備中であることを公表したそうです。 参加資格を得るために、Stars + Stripes Team USAは、エントリー料の一部の支払いを行なっているものの、プロトコールに従うと「遅いエントリーチームのエントリー料の支払い期限」として残額の100万ドルを2019年10月1日までに支払う義務があるということです。 オランダチームの撤退により、現在の参加予定チームは、ニュージーランドを含めて合計5チームうち、アメリカが2チームということになっています。 やっぱりアメリカズカップってお金のかかるレースですね! それではまた!

最近の状況

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かなり久しぶりの更新ですが、少しずつイタリアでもLuna Rossaの近況など情報が集まり始めてきたので、お伝えします。 *2019年のACWSは延期に 今年の初めのスケジュールでは、2019年3月末に2019年10月にイタリアでアメリカズカップワールドシリーズ(ACWS)の初戦を開催するためのスケジュールが発表される予定でしたが、イタリア現地でのロジスティックな事情ということで、年内のACWS開催は延期されたということが公式になりました。 よって、全ては2020年からスタートする見込みです。 *Luna Rossa AC75ミニチュア版Q&Dが始動  6月8日にAC75のミニチュア版、Q&Dと呼ばれるモデルがイタリアのカリアリで進水されて、早速チームのトレーニングが始まっています。 アメリカズカップ参加チームでは、ルナロッサが一番最初にAC75と同等のモデルをデザインから実物化したことになると言われています。 セーリングの様子はこちらのリンクからご覧ください。 https://bit.ly/2XyO26p *Luna Rossa AC75のプレゼンテーション  6月21日にイタリアのパレルモに所在してLuna Rossaの所属ヨットクラブである il Circolo della Vela Sicilia a Mondelloにて、8月25日にLuna Rossa AC75の進水式が予定されていることが発表されました。 *Jimmy Spithill のインタビュー   Luna Rossa に移籍してイタリア語も勉強中と言われるJimmy Spithill の特集ページを見つけました。 ー Luna Rossaへの移籍の意味、アメリカズカップにこだわり続ける理由 2017年のアメリカズカップでオラクルのスキッパーとして敗戦を経験したことも、2010年から2013年までアメリカズカップの立役者としてタイトルを獲得したことも、そして今回のLuna Rossaへの移籍も、「本当の自分を知るため」。  本当の自分自身の姿を見つめるためには、新しい環境に自信を置いて挑戦に挑むことで初めて見つめることができる。 その意味でもLuna Rossa に移籍してイタリアで生活の拠点を移したことは、とても

アメリカズカップ2019年の動き

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2019年最初の投稿は、2018年後半からの動きをまとめてお伝えします。 11月29日にモンテカルロでプラダカップのお披露目会が行われ、 アメリカズカップのワールドシリーズ第1回は、イタリアのサルディニア島の州都カリアリで行われることが発表されています。 この日に公開されたプラダカップ、プラダのロゴが入ったシルバー色で内部は赤という斬新でシンプルなデザインです。 新チャレンジャーチームが登録 12月に入り、新たに3チームがチャレンジャーとしてエントリーしています。 Stars & Stripes (アメリカ) カリフォルニアのLong Beach Yacht Club出身のチームで、アメリカ出身の2つ目のチームになります。 Malta Altus Challenge (マルタ) 1835年設立のマルタにあるRoyal Malta Yacht Club出身のチームで、アメリカズカップ初挑戦ですが、イタリア資本が合同しているチームです。 元アルテミスのクルーが加入する可能性があるとか。 Yacht Clud Muiden & Royal Maas Yacht Club Challenge (オランダ) アメリカズカップ初挑戦で、スキッパーはボルボオーシャンレースでベテランと言われるSimeon Tienpont 。 これでエントリーした挑戦チームは6チームで、ニュージーランドを含めると全部で7チームが参加予定になっており、この参加チーム数は、2007年のスペイン・バレンシア大会と同じ参加数になっており、興行的な成功も期待が高まっています。 今後の予定 2019年3月31日 AC新型ヨットクラス1号艇の進水。 2019年10月にイタリアからスタートするアメリカズカップワールドシリーズの他の開催地の発表も予定されています。 これからも、2019年もよろしくお願いします! それではまた!