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速報!イギリスが第37回アメリカズカップのチャレンジャーオブレコード!

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アメリカズカップが終わってまだ2日しか過ぎていないというときに、イギリスが第37回アメリカズカップのチャレンジャーオブレコードになったというニュースが飛び込んできました! 写真は、左からCommodore of the Royal New Zealand Yacht SquadronのAaron Young、Matteo de Nora (ニュージーランドのチームディレクター)、Ben Ainslie(Ineos Team UK)   奇しくも今日同じくアメリカズカップの公式サイトでは、本日、エミレーツ・チーム・ニュージーランドの本拠地において、第36回アメリカスカップのプレゼンテー ション・スポンサーであるPRADAが、優勝チームのメンバー150人全員に優勝に貢献した功績を称えて、PRADA がデザインしイタリアの高級銀製品工房で製造した銀メダルを授与したことを発表しています。 メダルは、直径9cm、重さ150gで、片面にはマーク・ニューソンがデザインした「36th America's Cup presented by PRADA」のロゴが、裏面には「WINNER - Auckland - New Zealand - 2021」の文字が描かれており、このような取り組みが優勝チーム全員に行われるのは、アメリカズカップの歴史上初めてのことで、アメリカズカップのスポーツ的価値に対するプラダのブランドとしてのアプローチが注目されるアクションです。   しかし、この微笑ましいニュースをかき消すかのように飛び込んできたイギリスのニュース。 早くも第37回アメリカズカップに向けた水面下の動きが気になるところ。 ニュージーランドの組織は、引き続きGrant DaltonとMatteo De Noraを中心に運営され(署名が行われたのもMatteo De Noraのヨットで行われたそう) 次回のアメリカズカップの要となるその条件とは? <ヨットクラス> 引き続きモノハルで空中飛行するAC75が採用される見込み。ただし、詳細が見直されるとのこと。今回のAC75でワンデザイン以外のデザインの自由が許された箇所の見直しや、造船できるのは1隻のみなど今回よりさらに制限されたヨットクラスになりそうです。  <チーム構成> 2021年3月18日から過去2−3年において、挑戦するチームの

第36回アメリカズカップ Emirates Team NZが優勝!

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  6対3で崖っぷちに立たされたLuna Rossaには、1勝しない限りもう後がないレースとなり、 最後までせめて1勝できるんじゃないかという期待を持ちながら、イタリア時間の朝4時に最後のレースを観戦しました。 レースエリアAが使用され、風速10ノットのコンディションでレース10がスタート。 Luna Rossa先行、ニュージーランド後行で両チームがスタートボックス入りし、プレスタートエリアの右奥まで両チームは走行し、右側を狙ってスタートラインの右端寄りを両チームが目指し、Luna Rossaは、ニュージーランドをなるべくスタートラインに近づけないようにしながら、スタートラインに接近。 スタート直後に、ニュージーランドはすぐに右方向にタックし、Luna Rossaは左方向を有利として進行。第1ゲート前でニュージーランド98メートルリードで、Luna Rossaは8秒遅れで第1ゲート通過。 第2ゲート前のリード差は、85メートルで両チームが右ボアを目指す中、後方にいたLuna Rossaはニュージーランドの使った風を丸ごと受けて、これがLuna Rossaのスピードに影響し、今日のレースの勝敗を分けることに。  第2ゲートは、ニュージーランド9秒リード、第3ゲートは27秒リード、第4ゲート37秒リードでニュージーランドのボアを回った直後のスプリントの上手さがLuna Rossaよりも優れていたことが評価されたように、Luna Rossaにとって400メートル以上のリード差を縮める希望がどんどん小さくなることに。 第5ゲートは49秒ニュージーランドのリードで、そのままニュージーランドがアメリカズカップ防衛になるゴール。  イタリアの中継番組では、勝敗の決め手になったのは、ニュージーランドのボア通過時のスプリントの良さ。ニュージーランドのフォイルはLuna Rossaのフォイルよりも最小限のサイズのデザインに成功したこと。が大きな違いとして解説されていました。 レース後の優勝セレモニーの様子はこちらから。 レース後の記者会見では、Luna Rossaの再挑戦について前向きなコメントがありました。 James Spithillは、Luna Rossaに所属するのか?それともチームを変えるのか?   以前に書きましたが、イタリア駐在ニュージーランド大使は「もしニュージーラ

第36回アメリカズカップ Race 9,10

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 ニュージーランドが防衛に王手  今日の2レースでニュージーランドが2勝すれば、アメリカズカップ優勝が決まり、Luna Rossaが1勝するだけで、優勝争いは続く展開が待っていた大切な日でした。 レースコースCが使用され、レース前の風速は12−13ノット。 今日のレースは、両チームが100メートル以下のリード差で、リードを奪い合うという昨日とは全く違う展開が待っていました。 Race 9 Emirates Team NZ (◎) vs Luna Rossa Prada Pirelli (X)  ニュージーランド先行、Luna Rossa後行でスタートボックス入りし、ニュージーランドはプレスタートエリア右側の奥まで走行。 Luna Rossaは時間をかけてジャイブし、ニュージーランドほど右側まで行かず、ジャイブでスタートラインを目指したところに、ニュージーランドが背後からスタートラインを目指して向かってきて、Luna Rossaと並走する形に。 スタート時の両チームのスピードは、同じ35.4ノット。 スタート直後からどちらも譲らないリード争いの展開になり、第1ゲート手前ではリード差わずか5メートルの接戦。 第1ゲートをLuna Rossaが1秒リードで通過し、それぞれ違うボアを選んだことで両チームは違う方向へ分かれた走行に。 第2ゲート手前でも、1メートル差を掛けた走行になり、第2ゲートを先行通過したのはLuna Rossa。 この時にLuna Rossaがボア前のレイラインを無視して、ニュージーランドを近づけないためにニュージーランドの前を直線上に走行したことは戦略上高く評価され、第2ゲート通過をLuna Roosaを有利にした場面。 この画像で、白い霧のように表示されているのがヨットの通過で後方に発生する弱くなった風力のイメージです。これで、なぜ後方のヨットが物理的に不利になってしまうのかイメージができると思います。  第3レグでも激しいリード争いになり、それでも第3ゲートをLuna Rossaが9秒リードで通過。第4ゲートもLuna Rossaが3秒リード。 第5レグ中盤の交差点で、Luna Rossaはレースコース左側を目指している時、後方のニュージーランドはLuna Rossaの弱い風を受けることを嫌い、「余儀なく」レースコース右側へジャイブ。 これが運命の

第36回アメリカズカップ Race 7,8

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5対3 ついに総合スコアに勝敗数で変化が出てきた今日の2レースになりました! 今日の2レースは、今までのレガッタの中でも一番ドキドキさせられた展開になり、今まで見ることがなかったレース中の追い越しや、交差点での風圧の欠如による失速など、両チームのポジションが変わったことが勝敗の結果として残りました。 レースエリアEで風速は9-12ノットの微風のコンデションが今日のレースを大きく狂わせることになりました。 Race 7 Emirates Team NZ (◎) vs Luna Rossa Prada Pirelli (X) Luna Rossa先行、ニュージーランド後行でスタートボックスに入り、両チームは並行しながらプレスタートエリア右端まで行き、折り返してスタートラインに向かい、スタートラインのレイラインに近かったのはニュージーランドでも、早すぎるスタートラインへのアプローチだったためにニュージーランドはスピード調整で若干減速。 Luna Rossaはスタートタイムに向けた加速のタイミングが良かったので、スタートタイムにニュージーランドより早いスピードでスタート。(Luna Rossa 31.9kt - NZ 23.9kt)  第1ゲート通過はLuna Rossaが8秒リード、第2ゲート前でLuna Rossaが146メートルのリードで第2ゲート左ボアを使うかと予想された中で、まさかの右ボアを使う賭けに出たような選択をして、Luna Rossaはリードでゲート通過するも、ゲート通過時のスピードは26.5kt。後方から同じ右ボアに42.7kt向かってきたニュージーランドは、ボア通過後にジャイブして風の抵抗を受けないエリアに抜けて、一気にLuna Rossaを抜きにかかったのがこの時。 ゲート3をニュージーランドが19秒リード。 風下の第4レグでさらにリードを広げられたLuna Rossaは第4ゲートを29秒遅れ、第5ゲート48秒で通過。  ニュージーランドが4ポイント目になる勝ち点を獲得してゴール。 Race 8 Emirates Team NZ (◎) vs Luna Rossa Prada Pirelli (X) スタート前の風速は9ノットとさらに難しいコンデションで、ニュージーランド先行、Luna Rossa後行でスタートボックス入り。 ニュージーランドがプレス

第36回アメリカズカップ レース7,8:延期

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 今日のオークランドは天気が良かったようですが、風速が6ノット前後で、レース開催の条件のひとつ、最低の風速が6.5ノットを満たすことができないコンデションであったため、スタート時間が何度か延期された後、今日はレースが行われないことが決まりました。 アメリカズカップだけでなく、オリンピックでも6時間待つこともあるようで、そんな時セーラーはトランプをしたりゲームをしたりして脳をイライラさせないようにしながら、常に対戦に備えて気長に待つ工夫をするそうです。  明日15日に、レース7,8が行われる予定になっています。 それではまた! https://www.americascup.com/

第36回アメリカズカップ レース5,6

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昨日のレース4でLuna Rossaの敗戦について、レース後のインタビューでスキッパーのFrancesco Bruniが「第4レグでの失速は、自分が押すボタンを間違えたためのミス」というコメントを残しましたが、実はLuna Rossaのフォイル機能に故障が発生したのではないかという憶測も生まれた上で、今日の2レースの観戦でした。 今日もまた両チームがそれぞれ1ポイントを獲得し、3対3のタイ。  レースエリアAが使用され、風速は8−9ノットのコンディション。 Race 5 Luna Rossa Prada Pirelli (◎) vs Emirates Team NZ (X) ニュージーランド先行、Luna Rossa後行で両チームがスタートボックス入りし、両チームはプレスタートゾーン右側まで進み、タックでスタートラインを目指すが、速いスピードだとスタートラインに早い到着になるため減速を余儀なくされる状況。 ニュージーランドが減速から加速へのコントロールに失敗し、Luna Rossaは低速でスタートラインに向かったことで、Luna Rossa有利のスタート。 レースエリア左方向を狙っていたLuna Rossaは、そのまま左エリアを使い、ニュージーランドはLuna Rossaの後を進行するには不利な風を受けるリスクがあったために余儀なく右方向へ。 Luna Rossaが第1ゲート32秒、第2ゲート 32秒、第3ゲート22秒、第4ゲート27秒、第5ゲート23秒で終始リードを保ち、Luna Rossaが18秒リードでゴールし3ポイント目の勝利。 今日のレースが始まる前に、なぜ2艇の距離が200−300メートル前後の時、後方のヨットが前方のヨットを追い越すのが難しいのか。という点について解説がありました。 この難しさは、AC 75のような30ノット近くのスピードで走行するヨットの性質に関係していて、 前方のヨットが使う風を後方のヨットが受けると、風力がすでに弱くなっていて、ただでさえ海上の風速が弱いコンデションだと、走行に使う風力が後方のヨットは約2ノットぐらい低い状態で風を受けることになる。それにより前方のヨットのように風を最大限に活かした走行が難しくなる。つまりスピードも上げられない。という現象が起こるということです。 だから、スタートのポジショニングがとても大切になる。

第36回アメリカズカップ レース3,4

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レース前の天気予報で風速が弱めのコンディションになることが予想されていましたが、レース開始前の風速は9.6ノットで、最低条件の6.5ノットを上回っていたため、レースエリアは、幅の狭いコースが特徴のEエリアが使用され、予定通りレースが開催されました。 今日の2レースで、両チームがそれぞれ1ポイントを獲得し総合成績2対2で、ますます1戦ごとが見逃せない展開になっています! Race 3 Luna Rossa Prada Pirelli (◎) vs Emirates Team NZ (X) 最初のスタートが、観客ヨットがレースエリア内に侵入していたので整備が必要となり、スタートのやり直し。 やり直しスタートで、両チームは接近することなくスタートゾーンの右側まで進んでから、ジャイビングでスタートラインに戻りはじめたが、スタート時間に対して早めの進行となり両チームは時間潰しで若干減速しながらスタートラインに向かうことに。 Luna Rossaがスタートラインにより近いポジションであったので、狙っていたレースエリア右側をキープしながらスタートラインを先行。 スタート直後にできた12メートルのわずかなリードを活かして、Luna Rossaが先行し第1ゲート前では70メートルまで広げ、風下の第2レグで232メートルのリード。 第2ゲート13秒、第3ゲート27秒、第4ゲート22秒、第5ゲート33秒と常にLuna Rossaがニュージーランドをコントロールする展開に。 危なげのないセーリングでLuna Rossaが勝利。  今大会のプロトコールでは、チームが他のチームの協力を得てトレーニングすることが禁止されており、それを作った張本人がニュージーランドで、Luna RossaはこれまでのPrada Cupのレースを通じてレース感覚を養うことができたのに対して、ニュージーランドはシミュレーションと単独トレーニングで、レース感覚をまだ掴みきれていないのではないか。 その結果がこのレース結果に表れたとイタリアの番組では評価されていました。 Race4 Emirates Team NZ (◎) vs Luna Rossa Prada Pirelli (X) スタートボックスに入る順番が入れ替わり、ニュージーランドが先にプレスタートゾーンに入り、Luna Rossaが後から追いかける形で始まり

第36回アメリカズカップ レース1,2

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ニュージーランド政府による緊急事態宣言の影響を受けて、レーススケジュールが修正され、本日からアメリカズカップ本戦が始まりました!  初日の結果は両チームがそれぞれ1勝し、大切な幕開けになったことは間違いなさそうです。  使用されたのはレースエリアEで、10ノットから14ノットと適度な風速があるコンディションでした。 Race1 Emirates Team NZ(◎)vs Luna Rossa Prada Pirelli (X) ニュージーランドが44ノットのスピードでスタートボックスに入り、プレスタートエリアを大きく使ってスタートラインに向かうというプラダカップで見た他のチームとは違うスタート前のパフォーマンスで始まり、後攻でスタートボックスに入ったLuna Rossaがニュージーランドの動きを抑え込もうとするようなスタート前の駆け引き。 スタート直後に、Luna Rossaが進路妨害でニュージーランドに抗議サインを出すものの、違反は認められず、ニュージーランドがリード距離を確実に増やすきっかけに。  以降、ニュージーランドとLuna Rossaのリード差は第2ゲートで23秒、第3ゲートで19秒第4ゲートで17秒、第5ゲートで20秒と決してLuna Rossaも引けを取らない間隔で追い上げを図りながらも及ばず。ゴール時は31秒のリードでニュージーランドがまず1勝。    気になったのは、ニュージーランドのフォイルのデザインで、今まで見たチームのフォイルはTの字の足になっている部分が真っすぐなラインであるのに対して、ニュージーランドのフォイルは片側だけ歪な凸線があるデザインになっています。 聞くところによると、フォイルの幅もLuna Rossaのものに対して狭く長さも短めだとか。 凸線があるフォイルについて、イタリアの中継番組ではフォイルの羽になっている機能に関係しているとコメントされましたが、どうも良く飲み込めなかったのでもう少し解説者の言うことを詳しく聞いてみたいです。   Race2 Luna Rossa Prada Pirelli (◎)vs Emirates Team NZ(X) プレスタートエリアで両チームはエリアの右側をそれぞれ違う方向に進行してから、スタートラインに戻ってくるパフォーマンスで、ニュージーランドが若干遅れてスタートラインに向かった事で、L