第36回アメリカズカップ Race 7,8
5対3
ついに総合スコアに勝敗数で変化が出てきた今日の2レースになりました！
今日の2レースは、今までのレガッタの中でも一番ドキドキさせられた展開になり、今まで見ることがなかったレース中の追い越しや、交差点での風圧の欠如による失速など、両チームのポジションが変わったことが勝敗の結果として残りました。
レースエリアEで風速は9-12ノットの微風のコンデションが今日のレースを大きく狂わせることになりました。
Race 7
Emirates Team NZ (◎) vs Luna Rossa Prada Pirelli (X)
Luna Rossa先行、ニュージーランド後行でスタートボックスに入り、両チームは並行しながらプレスタートエリア右端まで行き、折り返してスタートラインに向かい、スタートラインのレイラインに近かったのはニュージーランドでも、早すぎるスタートラインへのアプローチだったためにニュージーランドはスピード調整で若干減速。
Luna Rossaはスタートタイムに向けた加速のタイミングが良かったので、スタートタイムにニュージーランドより早いスピードでスタート。(Luna Rossa 31.9kt - NZ 23.9kt)
第1ゲート通過はLuna Rossaが8秒リード、第2ゲート前でLuna Rossaが146メートルのリードで第2ゲート左ボアを使うかと予想された中で、まさかの右ボアを使う賭けに出たような選択をして、Luna Rossaはリードでゲート通過するも、ゲート通過時のスピードは26.5kt。後方から同じ右ボアに42.7kt向かってきたニュージーランドは、ボア通過後にジャイブして風の抵抗を受けないエリアに抜けて、一気にLuna Rossaを抜きにかかったのがこの時。
ゲート3をニュージーランドが19秒リード。
風下の第4レグでさらにリードを広げられたLuna Rossaは第4ゲートを29秒遅れ、第5ゲート48秒で通過。
ニュージーランドが4ポイント目になる勝ち点を獲得してゴール。
Race 8
Emirates Team NZ (◎) vs Luna Rossa Prada Pirelli (X)
スタート前の風速は9ノットとさらに難しいコンデションで、ニュージーランド先行、Luna Rossa後行でスタートボックス入り。
ニュージーランドがプレスタートエリアの右端ギリギリまで走行したのに対して、Luna Rossaはニュージーランドよりも先にタックでスタートラインに向かい始め、両チームは並行してスタートラインに向かって走行。
スタート時のスピードはLuna Rossaが約2ノット上回っており、Luna Rossaが狙っていた左方向を取って、ニュージーランドはスタート直後にLuna Rossaの風を避けるためにすぐにタックして右方向へ。
第1ゲート通過前Luna Rossaは115メートルのリードで、16秒差でゲート通過。
第2レグ中盤に最初のハプニングがここで発生。
これはLuna Rossaに近づきすぎた位置で、ジャイブしたことにより、ニュージーランドがLuna Rossaが使った風受けたのと、自らのジャイブで使える風力がさらに弱くなったことが原因とのこと。
ニュージーランドのヨットが海面から浮かぶことができない状態になり、Luna Rossaには、リード差を2200メートルまで広げる大きなチャンスに。
第３ゲート手前で、今度はLuna Rossaがトラブル。
ボア通過前で風力を捉えられなくなりヨットは一気に失速し、海面に流されるまま8ノットでボアに向かい、ボア通過後の風下コースでスピードを取り戻せるのでは？という予測とは裏腹に、Luna Rossaは再びフォイリングの状態に戻ることに苦しまされることに。
フォイリングの体制に戻すために、Luna Rossaの迷走が続きレースエリア外（バウンダリー）にまで出てなんとかして体制を戻そうとしたため、ペナルティーを何度も受けたのはこのため。
ニュージーランドは4分以上のリードをひっくり返して、Luna Rossaに対して4分以上のリードを作り合計8分を取り戻して走行。
その間に微風のコンデションのため、レース審判団が通常6レグのコースを5レグで終了することを発表し、ニュージーランドがそのままゴール。
2000メートルのリードも無駄になってしまったLuna Rossaにとって、とても重い失点になり、ニュージーランドは明日のレースで1勝するとマッチポイントに手が届くことに。
ニュージーランドは技術もさながら、やっぱり運に恵まれているのでしょうか？
明日はレース９、１０が予定されています。
もし、ニュージーランドが2連勝したらアメリカズカップ優勝の可能性もあるので、お見逃しなく！
もちろん、Luna Rossaは最後の最後まで諦めないと宣言しています。
それではまた！
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