第36回アメリカズカップ レース3,4

レース前の天気予報で風速が弱めのコンディションになることが予想されていましたが、レース開始前の風速は9.6ノットで、最低条件の6.5ノットを上回っていたため、レースエリアは、幅の狭いコースが特徴のEエリアが使用され、予定通りレースが開催されました。

今日の2レースで、両チームがそれぞれ1ポイントを獲得し総合成績2対2で、ますます1戦ごとが見逃せない展開になっています!

Race 3

Luna Rossa Prada Pirelli (◎) vs Emirates Team NZ (X)

最初のスタートが、観客ヨットがレースエリア内に侵入していたので整備が必要となり、スタートのやり直し。

やり直しスタートで、両チームは接近することなくスタートゾーンの右側まで進んでから、ジャイビングでスタートラインに戻りはじめたが、スタート時間に対して早めの進行となり両チームは時間潰しで若干減速しながらスタートラインに向かうことに。

Luna Rossaがスタートラインにより近いポジションであったので、狙っていたレースエリア右側をキープしながらスタートラインを先行。


スタート直後にできた12メートルのわずかなリードを活かして、Luna Rossaが先行し第1ゲート前では70メートルまで広げ、風下の第2レグで232メートルのリード。

第2ゲート13秒、第3ゲート27秒、第4ゲート22秒、第5ゲート33秒と常にLuna Rossaがニュージーランドをコントロールする展開に。

危なげのないセーリングでLuna Rossaが勝利。


 今大会のプロトコールでは、チームが他のチームの協力を得てトレーニングすることが禁止されており、それを作った張本人がニュージーランドで、Luna RossaはこれまでのPrada Cupのレースを通じてレース感覚を養うことができたのに対して、ニュージーランドはシミュレーションと単独トレーニングで、レース感覚をまだ掴みきれていないのではないか。

その結果がこのレース結果に表れたとイタリアの番組では評価されていました。

Race4

Emirates Team NZ (◎) vs Luna Rossa Prada Pirelli (X)

スタートボックスに入る順番が入れ替わり、ニュージーランドが先にプレスタートゾーンに入り、Luna Rossaが後から追いかける形で始まり、Luna Rossaが後ろから攻撃するように見えたものの、諦めてレースエリア右側に向かってスタートすることを選び、スタート直後にニュージーランドは左側、Luna Rossaは右側とそれぞれの進路を進行。

この時の判断が、レース結果に影響してしまうことになり、右側有利としていたLuna Rossaはニュージーランドとの距離を広げないようにしても、風下第2レグでニュージーランドは170メートルのリード。

第2ゲート34秒、第3ゲート34秒でニュージーランドがリード。

第4ゲート前のジャイブでLuna Rossaがフォイルの操作ミスにより減速したことが影響して、第4ゲートはニュージーランドが48秒リード。

第5ゲートも58秒のニュージーランドがリードで、1分03秒差でニュージーランドが勝利のゴール。

第3レースでは、ニュージーランドは軽風で幅が狭いコースだとタックやジャイブの繰り返して、スピードを一時的に失ないながらの進行になるため、もしかしたら弱点かも。という見方がありましたが、2レースとも勝利の鍵だったのは、風圧の読み取り次第で状況を変えられることでした。

それではまた!

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