第36回アメリカズカップ Emirates Team NZが優勝!

 

6対3で崖っぷちに立たされたLuna Rossaには、1勝しない限りもう後がないレースとなり、

最後までせめて1勝できるんじゃないかという期待を持ちながら、イタリア時間の朝4時に最後のレースを観戦しました。

レースエリアAが使用され、風速10ノットのコンディションでレース10がスタート。

Luna Rossa先行、ニュージーランド後行で両チームがスタートボックス入りし、プレスタートエリアの右奥まで両チームは走行し、右側を狙ってスタートラインの右端寄りを両チームが目指し、Luna Rossaは、ニュージーランドをなるべくスタートラインに近づけないようにしながら、スタートラインに接近。


スタート直後に、ニュージーランドはすぐに右方向にタックし、Luna Rossaは左方向を有利として進行。第1ゲート前でニュージーランド98メートルリードで、Luna Rossaは8秒遅れで第1ゲート通過。

第2ゲート前のリード差は、85メートルで両チームが右ボアを目指す中、後方にいたLuna Rossaはニュージーランドの使った風を丸ごと受けて、これがLuna Rossaのスピードに影響し、今日のレースの勝敗を分けることに。


 第2ゲートは、ニュージーランド9秒リード、第3ゲートは27秒リード、第4ゲート37秒リードでニュージーランドのボアを回った直後のスプリントの上手さがLuna Rossaよりも優れていたことが評価されたように、Luna Rossaにとって400メートル以上のリード差を縮める希望がどんどん小さくなることに。

第5ゲートは49秒ニュージーランドのリードで、そのままニュージーランドがアメリカズカップ防衛になるゴール。


 イタリアの中継番組では、勝敗の決め手になったのは、ニュージーランドのボア通過時のスプリントの良さ。ニュージーランドのフォイルはLuna Rossaのフォイルよりも最小限のサイズのデザインに成功したこと。が大きな違いとして解説されていました。

レース後の優勝セレモニーの様子はこちらから。


レース後の記者会見では、Luna Rossaの再挑戦について前向きなコメントがありました。
James Spithillは、Luna Rossaに所属するのか?それともチームを変えるのか?
 
以前に書きましたが、イタリア駐在ニュージーランド大使は「もしニュージーランドが防衛に成功したとしても、これが最後のニュージーランドでのアメリカズカップ開催になるだろう」と言っていたように、 次回のアメリカズカップは、「どこで?」やるのか。から企画が始まることになるんじゃないかと思います。
そして、「だれが?」チャレンジャーオブレコードになるのか。以前にINEOSがチャレンジャーオブレコードに候補する可能性も噂されていました。
ヨットクラスは、最終的にAC 75が高評価されているようですので、このまま展開されるのではないかと予想しています。
 
たられば論だと、もしLuna Rossaがアメリカズカップを獲得したらイタリアのサルディニア島のカリアリが開催地として選ばれ、スイスのアリンギも参戦することも噂されていました。イタリアの夢が続くことを期待しています。

それではまた!
https://www.americascup.com/


コメント

  1. 私は、Team NZを応援していましたが、今回の「赤い月」は強かった。前回に対決した20年前よりも遥かに苦しめられました。
    船はニュージーランドの方が速かったのかもしれませんが、戦略的にはルナロッサが勝っていると思う瞬間は何度もありました。差はとても小さかったと思います。ただ、少しばかりニュージーランドの方が地の利があったかもしれませんね。

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    1. コメントありがとうございます!
      おっしゃるように、Luna Rossaはかなり戦略で研究していた様子がわかりましたね。ニュージーランドのホーム戦だったから仕方がない部分もあるのかな。と思ったり。財政難が噂されるニュージーランド開催で、有終の美を飾る勝利だったのかと思ったり。です。

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