ACWS Auckland 第3日目/最終日
今日の4レースで、アメリカズカップ・ワールドシリーズが終了し、明日20日はクリスマスレガッタになります。
今日の風速は8−10ノットの低速のコンディションだったので、結果的にレース開始が1時間遅れて、イタリアでは午前3時から7時までの長い時間レースを見守ることになりました。
4レースを通じて分かったのは、AC75は風が弱くて水面から浮かばないと、一気に失速して前に進めないリスクがあり、それは4チームに共通するリスクであるということです。
第9レース:Lunarossa Prada Pirelli (O) vs INEOS Team UK (X)
スタートは、接戦の駆け引きはなく、Lunarossaが風上を掴んで、INEOSから早々にリード。
第2ゲートで、Lunarossaが37秒/距離にして640メートルリードで通過。INEOSは同じゲートの通過あたりで船首が海面につまづくような感じになり失速。
第3ゲートでLunarossaは2分45秒、2189メートルのリードで通過。INEOSは、ペナルティも受けて、また苦しいセーリングに。Lunarossaが独走でゴールし、INEOSはリタイア。第10レース:Emirates Team NZ (O) vs American Magic (X)
両チームの駆け引きはなく、ニュージーランドはスタートラインのギリギリまで進んだのに対して、American Magicは、スタートラインに先に入ったことが功を奏して早々にリード。American Magicの後ろを走るのを避けるように、ニュージーランドはコースの左サイドにタックし、第2レグでAmerican Magicとの距離を縮め始めるが、タックに失敗し失速。
その間アメリカはリードを広げるものの、再び風をつかんだニュージーランドが徐々にアメリカに迫り始めた頃に、2チームが交差。
この交差でAmerican Magicがペナルティを避けるために行った操作が失敗し、失速。
American Magicもスピードの回復に苦しみ、ニュージーランドにそのままリードを許してしまい、ニュージーランドが1分19秒差で勝利。
第11レース:American Magic (O) vs INEOS Team UK (X)
スタート前にINEOSがスタートボックスに侵入してしまったことで、ペナルティを受けたことから始まったので、両チームの目立った駆け引きはなく、American Magicが落ち着いたスタート。
第1ゲート通過で、American Magicが1分、800メートルのリード。
第2レグで、American Magicが、コース枠の外にフォイルの一部が出たことが原因でペナルティ。
最終レグでAmerican Magicが失速し、1800メートルあったリードを1100メートルまで失うことに。INEOSもスピードの回復に苦しんで、最終的にコース外に出てリタイアしたことも重なり、American Magicは残ったリードを保ちながら勝利。第12レース:Emirates Team NZ (O) vs Lunarossa Prada Pirelli (X)
スタートを制したのは、Lunarossa。
第1ゲートをLunarossaが32秒のリードで通過し、ニュージーランドはゲート通過のミスで失速。Lunarossaは第2レグでリードを800メートルまで広げる。この直後にLunarossaも失速し、どちらのチームが先に「海面に浮くことができるか」を見守ることに。
先にスピードを取り戻したのはニュージーランドで、Lunarossaからリードを奪うことに成功。ゴールまでのレース距離が短縮され、Lunarossaもスピードを回復しニュージーランドへプレッシャーをかけ続け、両チームがリードを奪い合う接戦に。
ACWS Aucklandの最終成績は以下の通りです。
明日20日のクリスマスレガッタは、リーグ戦になっています。
対戦カードはこちらです。それではまた!
ニュージーランド、オークランド在住のものです。
返信削除今回のレースコースを見られるビーチから車で20分の所に住んでいますが、レースは肉眼ではなくテレビのライブで見ています。
いつもレースの解説をありがとうございます。
一つ教えてください。ペナルティを受けるとどうなるのでしょうか?