PRADA CUP Final Race 3-4

風速は16ー20ノットでスピードに問題のないコンディションで、今日のレースは初めてになるレースエリアEが使用され、今までのレースエリアに比べて幅が狭いため、バウンダリー(レースエリア外)に出ないように頻繁にタックする必要がある特徴のコースです。そのため、両チームが接近戦となった面白いマッチレースになりました。

Luna Rossaが今日の2レースもコントロールする展開で、見事に4連勝、4ポイントを獲得し、今日のレースでLuna Rossaに2ポイントプレゼントしたような結果だとレース後にBen Ainslieがコメントしたように、INEOSには重たい敗戦となってしまいました。

Race3

Luna Rossa Prada Pirelli (◎) vs INEOS TEAM UK (X)

スタート前の勝敗を分けることになった両チームのパフォーマンス。



 Luna RossaがINEOSを追いかける形でプレスタートが展開し、スタートラインに両チームが戻り始めた時にはLuna RossaがINEOSより先行してスタートライン右端まで詰め寄ったことから、後方のINEOSがスタート前に右側にタックせざるを得ない状況でスタート。

両チームのリード差は終始100メートル、時間にして10秒前後の接近戦となり、レースはファイナルレグまで油断できない展開になったが、INEOSは最後までLuna Rossaに詰め寄ることに苦しみ、Luna Rossaが、わずか13秒差で3勝目のゴール。

Race 4

Luna Rossa Prada Pirelli (◎) vs INEOS TEAM UK (X)

なんとしてでも1勝を挙げるINEOSの意気込みが裏目に出てしまったような、プレスタートでのパフォーマンスがこのレースの勝敗に大きく影響しました。

スタート前55秒で、賭けに出たINEOSのヨットが大きく跳ね上がり、失速。

スタートを制したのは、Luna Rossa。

INEOSは中盤バウンダリーに出てしまったことで、ペナルティを受けLuna Rossaとの距離を縮めることが更に難しい状況に。

(ペナルティを受けたら、相手のヨットに10メートル進んでもらうのを待たなければいけないそうです。)

それでも、両チームのリード差は最大22秒でINEOSがどこまでLuna Rossaに詰め寄ることができるのかを見守る展開。

確実にリードを伸ばしたLuna Rossaが終始レースをコントロールするようになり、貴重な4勝目のゴール。

総合スコア

昨日からイタリアでバズっている動画

 
元々は、2014年にイタリアの車メーカー、FIAT500Lがアメリカ市場に進出された際に作られたコマーシャルのようですが、オリジナルは車が上陸するシーンであるのに対して、今回はLuna Rossaが近づいているシーンに置き換えられています。
イギリス人が来ると思っていたアメリカ人が、ティーカップからイタリア人のためにエスプレッソコーヒーを用意するシーンなど、今回のLuna Rossaの快進撃に重ねて楽しめる動画です。
 

2月17日(水)のレースが延期

レース後のAmerica's Cup開催者からの報道によると、コロナウィルス対策でレベル3(72時間)ロックダウンの政策が発表されたことにより、2月17日のレースの延期が決まったようです。
 
INEOSは、次のレース日まで海に出てトレーニングを重ねることを言っていましたが、このロックダウンがどこまでスケジュールに影響するのか未定です。
 
それではまた!

コメント

  1. はじめまして。アメリカズカップの日本語記事を探しておじゃまいたしました。
    今大会は昨日やっとレース観戦ができたのですが、タック、ジャイブが多かったのはそういうことだったのですね!
    UK艇の連敗が前回大会を思い出しますね・・・なんとかイネオス艇頑張ってもらいたいです♪

    返信削除
    返信
    1. 初めまして。コメントありがとうございます!レースエリアそれぞれが特徴のあるエリアになっているので、レース展開に変化が出てくるようです。イネオスがどこまでコンディションを戻しているかが見どころになる後半戦になりますね!

      削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

勝手に予想:第37回アメリカズカップ

AC75のデザインコンセプトの注目点

第37回アメリカズカップをニュージーランドが防衛!