PRADA CUP Final Race 5-6
ようやくINEOSが意地を見せた1勝を獲得し、今日の2戦で両チームが1勝1敗をマークしたので、総合スコアが少しだけこじれ始めてきました。
全てはプレスタートのコース取と駆け引きが鍵となった今日のレースでした。
レース前の風速は5−15ノットの軽風で、使用されたのは前回と同じ幅が狭いコースエリアE。
Race 5
Luna Rossa Prada Pirelli (◎) vs INEOS Team UK (X)
スタートラインの右側の位置をキープしようとしたLuna Rossaが、INEOSをスタートラインに近づけないようにできるだけ右端の方へ寄りながらスタートラインに向かい、INEOSが進路変更を決めるのが遅かったことが裏目に出て、方向転換しないままスタートラインの右端に残っていた隙間に入り込むようにして両チームが接近したスタートに。
ここでINEOSが風上と風下の進路の優先権を守らなかったというルールを違反したと判断され、ペナルティ。
このペナルティは相手ヨットに50メートル先行することを譲る義務があり、INEOSはペナルティを消化するまでに時間がかかってLuna Rossaがリードを広げるチャンスとなり、スタート直後にあったINEOSの若干のリードは消えてしまう。
Luna Rossaが第2ゲート通過から着実にリードを保って、ファイナルレグでは1193から1271メートルのリードを広げて、5勝目のゴール。
これで、7勝の条件にあと2勝となりました。
Race 6
INEOS Team UK (◎) vs Luna Rossa Prada Pirelli (X)
INEOSがLuna Rossaのプレスタートのパフォーマンスを参考にしたような展開で、INEOSが若干のリードで両チームのヨットが並行してスタート。
スタート直後にINEOSの風下に居続けることを嫌ったLuna Rossaが右方向にタックし、第1ゲートの両チームのリード差はわずか8秒。
第2レグでINEOSがわずかなリードを活かして、風向きの良い方向を選んで進めたことが功を奏して第3ゲート通過時も約200メートルのリード。
第4レグでINEOSのリードは550メートルまで広がり、これで勝敗が決まりかけたように見えたのは間違いで、第5ゲート手前でLuna RossaがINEOSに54メートルまで迫り始め、第5ゲートの両チームの差はわずか9秒。
ファイナルレグでINEOSが160メートル前後のリードをキープし、14秒差でゴール。
INEOSがファイナル戦で初勝利を記録し、対戦スコアは5対1。
パフォーマンスの良さを見極めるのに、ヨットそのものの速度に加えて、レース中継中にしばしば登場する、VMG値も大切だと言われています。
VMGとは、英語のVelocity Mede Goodの略語で、ヨット独特の用語でありヨットが行きたい方向に進むための有効速度ということらしいです。
実際に今日レース5ではLuna Rossaの方がVMGスピードがINEOSより優れていましたし、レース6ではINEOSの方が優れていました。
次回は両チームのVMG値も見比べながらレースを観戦してみてください。
明日はレース7、8が予定されており、風速も今日と同じ12ノット前後が予想されて、両チームがしのぎを削るレース展開になるだろうと言われています。
それではまた!
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