PRADA CUP第2日目・ Round Robin 2
昨日とは打って変わって、軽風でのパフォーマンスが注目された対戦になりました。
Round Robin1-第3レース:Luna Rossa Prada Pirelli (◎)vs American Magic (X)時間切れ
風速は、8ー14ノット。American Magicがスタート前にスタートボックスに侵入してしまったために、ペナルティを受けて減速したことで不利なスタートに。
第1ゲート前へLuna Rossaが330メートルのリードで向かい、American Magicにとって苦しい出だしに。
第1ゲート通過後にLuna Rossaも失速し、一方でAmerican Magicがスピードを取り戻し第2レグ中盤でLuna Rossaに逆転リード。
第2ゲート手前でAmerican Magicが失速した頃に、Luna Rossaがスピードを回復し再逆転リードして、第2ゲートをLuna Rossaが先に通過。軽風のコンディションで、両チームのスピードに限界があることから、レース距離が6レグから4レグに短縮になり、その後も両チームとも失速と加速の繰り返しになるが、うまくスピードを取り戻したLuna Rossaが勝利。
失速してフォイリングができなくなった時に、どの方向に風圧力があるかをタクティシャンとスキッパーが周囲を見渡して、見極めて方向を選ぶことが勝利の鍵になったようです。
Round Robin2-第1レース:INEOS TEAM UK (◎) vs American Magic (X)
American MagicとDean Barkerにとって、痛い日になったことを決定づけてしまったレースになりました。風速は8ー12ノット。
スタート前に、American Magicが2回ペナルティを受けることに。
1回は、スタートゾーンに早く入ってしまったペナルティ。
これがきっかけでフォイリング状態を保つことができずに失速。
INEOS TEAM UKは、スタート30秒前にスピードを保ちながらスタートラインに向かい、スタートライン前でスピードの立て直しに苦しんでいたAmerican Magicに対して、12月の鬱憤を晴らすかのように、スキッパーのBen AinslieがAmrican Magicに迫る距離で通過。この時のAmerican Magicの位置がINEOSの進路妨害行為に当たると判断され、American Magicは2回目のペナルティ。
INEOSが有利にスタートしたことで、リードを保ち第1ゲート手前まで向かったところで、INEOSが失速。
American Magicが加速して、第1ゲート通過後に遅れを90メートルまで縮めるも、両チームが軽風のエリアに入ってしまったことで、またも失速。
このレースも6レグから4レグに距離が短縮されることが決まり、両チームは遅いスピードながら前進し、スピードをうまく取り戻したのはINEOS。
ゆっくりとしたレース展開に、制限時間45分内にゴールすることができるか気になり出した頃、INEOSはスピードを保ち、制限時間残り2分わずかというところで、無事にゴール。
イギリスが3連勝目になった勝利に。
INEOSのBen Ainslieのパフォーマンスが再評価されたレースになり、同時にAmerican Magicは大丈夫か?という不安が起こる3連敗となってしまいました。
レース後、American MagicのスキッパーTerry Hutchinsonは、「あくまでも腕試しでチームの方向性を作り上げているところ」「2年前にデザインを決定したフォイルで、予測できていなかったコンデションに直面している」というようなコメントをレース後に残していました。
イタリアの中継番組では、Dean Barkerが2013年のOracle対New Zealandで体験した敗北のトラウマから抜け出せるか気にする声が未だに出ており、今日のAmerican MagicのパフォーマンスがDean Barkerにとって引きずるようにならないといいが。。というコメントも出ていました。(私も同じく心配)
総合スコア
今日のレース前に、INEOSのメインセールの一部についてトラブルがあった様子が一時的に映像で流れました。これは、ちょっとアメリカズカップにつきものの物言いでした。
昨日のレースが終わった時点で、Luna RossaがINEOSのメインセールは、明らかに意図的に開いた開口部が AC75 クラス規則 18.1 に違反しているとして INEOS TEAM UK に対して「不遵守の主張」を申し立てがあったとのこと。
測定委員会報告書は、クラス規則の正しい解釈として規則委員会によって承認され、INEOS TEAM UKはクラス規則を遵守していない状態で第1レースと第2レースに出走したが、レガッタディレクターと協議した結果、遵守していないことはヨットの性能を向上させるものでも、レースの結果に重大な影響を与えるものでもないと判断したことを明らかに。
測定委員会の報告書に基づき、またクラス規則違反の第一回目であったため、審査員はINEOS TEAM UKに5,000米ドル(NZ$7,010.00)のペナルティを課し、2021年1月25日までにサー・ピーター・ブレイク・トラスト(COR36とディフェンダーの支援を受けて審査員が選定した慈善団体)に支払うこととした。
という舞台裏でのエピソードがあったのでした。
長くなりましたが、それではまた!
https://www.americascup.com/
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